誤解していませんか
アルコール依存症、薬物依存症…… ほかにも、ギャンブル、食べ物、買い物、恋愛、性など、人は、さまざまなものに依存します。 依存症という病気には、たくさんの誤解と偏見があります。 世間の誤解や偏見に、家族は苦しみます。 本人も同じ偏見をとりこんで「まさか自分はそこまで落ちていない!」と考えがち。 これは病気の発見・治療が遅れる原因のひとつです。 よくあるのはこんな誤解です。 あなたの中にもありませんか?
【誤解と偏見1】 意志が弱いから、やめられないのだ
いったん依存症という病気になると、「これ以上はまずいから、やめておこう」と思っても、コントロールがきかなくなります。これは意志が弱いからではなく、病気の症状です。 精神力では病気は治りません。治療が必要です。
【誤解と偏見2】 依存症になるのは、社会に適応できない弱い人だ
社会的立場や能力などに関係なく、誰でも、依存症になるリスクがあります。 ハリー・ポッターの主人公を演じた英国の俳優ダニエル・ラドクリフ、オーストラリアの水泳の金メダリストであるイアン・ソープもアルコール依存症をカミングアウトしています。アメリカでは、元大統領夫人のベティ・フォードさんなど多くの有名人がアルコール・薬物依存症治療を公表しています。
【誤解と偏見3】 依存症になるのは、自己管理ができない甘えた人だ
実際には、この病気はだらしなく甘えた結果ではなく、むしろ過度なストレスや心の傷、喪失感に必死で対処しようとした結果であることが大半です。専門家が、依存症のことを「自己治療」と呼ぶのはそのためです。 周囲に助けを求められず、自力で何とかしようとしていたからこそ、深みにはまったのです。
【誤解と偏見4】 どうせ死ぬまで、治らないだろう
依存症は回復・社会復帰が可能な病気です。多くの人が、専門治療を受けたり自助グループに通うことで、心身の健康を取り戻しています。 現在では治療の選択肢も徐々に増え、たとえば仕事をしながら夜間に通えるクリニック等もあります。
関係をこわす病気
いずれの依存にも共通するのが、周囲の人への多大な影響です。 家族や親友・恋人など、その人のことを大切に思っている人ほど、この病気に振り回され、いくら努力しても事態はよくならず、疲れ切ってしまうことが多いのです。 依存症という病気は、そこに巻きこまれた人々を、お互いに孤立させます。 本人を治療・援助につなげるためにも、周囲にいる人には専門的な知識とサポートが必要です。
1人で悩まないでぜひ相談してみて下さい。
さまざまな依存症がありますが、それぞれ相談を受け付けている場所があります。ぜひ一人で悩まないで一度相談してみて下さい。(以下リンク先はNPO法人ASKのページになります)
精神保健福祉センター・保健所は、アルコール健康障害対策推進基本計画で定められた当事者や家族の相談支援を担う要であり、指導、相談、社会復帰につなげる体制づくりを行なっています。(以下リンク先は厚生労働省のページになります)
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