アディクションとは?
依存症、アディクション……その正体は何?
季刊『Be!』増刊号No.16「依存症って何?」のコラムより、抜粋・一部改編してお届けします。
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ある習慣に「不健康にのめりこんだ・はまった・とらわれた」状態を、アディクション(=依存症・嗜癖)といいます。
この概念のモデルになっているのは、アルコール・薬物依存です。
ほかに、パチンコ・競馬・麻雀などの「ギャンブル依存」、体型や食べ物にとらわれていく「摂食障害」、さらに「ショッピング依存」「仕事依存」「恋愛依存」「セックス依存」などがあり、リストカットなどの自傷もアディクションととらえることができます。
アディクションに共通すること
アディクションに共通するのは、次のようなことです。
●それに没頭することで、イヤなことを忘れるなど、気分が大きく変化する
●即効性を求め、しばしばその手段に頼るようになる
●頻度や状態が「もっともっと」とエスカレートしていく
●適切な範囲に留めておこうとしても、自分ではコントロールがきかない
●周囲の人を巻きこんで傷つけ、自分自身も傷つける結果となる
社会の変化の中で、アディクションの対象は増え続けています。
ネット依存、ゲーム依存、占い依存、スマホ依存、SNS依存……。
手軽に気分転換したり、手軽に人とつながったりする方法が「商品」として次々に提供される中、単なる趣味や習慣と、アディクションとの境界線は、ますますあいまいになっています。
けれどいずれも、依存が進行すると、学業や仕事への悪影響や、心身の健康がそこなわれる、家族の混乱と苦痛、などが起きてきます。
また、複数のものに依存したり、依存対象が次々移行していく「クロスアディクション」の状態もしばしば見られます。
アディクションからの回復とは
アディクションからの回復は、単にその行動をやめることがゴールなのではなく、不健康なとらわれを必要としない生き方をつくっていく「プロセス」です。
回復プロセスの途上には、再発の危険もつきもの。
それは次のように起きます。
引き金となるストレス(困難な事態・変化・喪失など)
↓
依存していた頃の志向や行動パターンが再燃(否認・自己防衛・助けを拒むなど)
↓
もとのアディクションに戻る、あるいは別のものに依存
↓
コントロールがきかなくなり、崩壊
ただし再発は、危機であると同時に回復のステップともなり得ます。
アディクションの手ごわさに気づく、仲間が必要なことを納得する、ライフスタイルや価値観を見直す、新しい対人関係を身につける……。
そのための、大切なチャンスでもあるのです。
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課題を乗り越えるために。 危険から身を守るために。 巻きこまれから抜けるために。 ――それぞれが経験の中でつかみとった「マイ・ルール」とは? あなたに役立つ方法を探すための一冊です。 -
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アルコール・薬物・ギャンブル依存、摂食障害、ニコチン・カフェイン・ネットオークションへの依存、恋愛依存など。 どこからが病気? 何が病んでいるの? 回復とは?